著者 Y.T.
女性. 東京大学医学部医学科在籍.CBT-IRTスコア:720.
医学生向け個別指導予備校MedAceにて講師として活躍中.
「あたりまえの内容こそ、わかりやすく」を心がけて授業をしています

目次
はじめに:医学部CBTとは
CBT(Computer-Based Testing)は,医学生にとって進級に必要不可欠であり,重要な試験です。合格点数を超えることはもちろん,6年生時のマッチングにおいて結果の提出が求められることが少なくないことを考えると,合格するだけでなく,高得点を取っておきたいですね。
CBTの特徴として,CBTで出題される320問中,採点対象となる240問は,過去に出題されたことのある,プール問題からの出題であることが挙げられます。とはいえ,プール問題は30000問以上あり,全てを解いて丸暗記することは現実的ではありません。
本記事の目的
医学生の中には部活やアルバイトで忙しく,気がついたらCBTが近づいてきていた,という人も少なくないと思います。
そこで本記事では,アルバイトをしており勉強する時間があまりなかった私が,本試験でIRTスコア720を超えた効率的な勉強法についてご紹介していきます。
① 基礎を固める(6ヶ月前~3ヶ月前)
まずは,基本的な知識を身につけていきましょう。しかし,医学部の教科書で勉強しようとすると量が多く,全てを読んで理解するには膨大な時間がかかってしまいます。さらに,CBTは,医学生と実習するのに必要な知識を問う試験であるため,専門医レベルの難しい知識は要求されません。
私は,CBTの勉強を始める前に数問QBなどで問題を解いてみて,問題の難易度を把握していたため,病みえなどの参考書でも,全てを読んで理解しようとすることは,オーバータスクになると判断しました。そこで,CBTに出題されるポイントを中心に知識を習得するため,映像教材を活用しました。個別指導でも,CBTに合わせた指導を受けることが可能なため,自分の学習状況に合わせて使い分けをするのが良いと思います。以下では,映像教材と個別指導のメリット・デメリットについてご紹介します。
映像教材
メリット:
- すきま時間を使って動画を見ることができる。
- 見たいところを繰り返し閲覧できる。
リアルタイムの授業ではないため,いつでも始められ,いつでも終えることができます。私は通学時間が長かったため,電車の中など環境にかかわらず学習を進められることは,大きなメリットになったと思います。また,理解できないところは気兼ねなく繰り返すことができます。忘れてきた頃に,苦手な分野の動画を2倍速で見返す,という形で復習をしていました。
デメリット:
- 自分で動画を見ていかないといけないため,試験に間に合わなくなる可能性がある。
- わからないところが出てきても,質問ができない。
自分の勉強の進度を気にかけてくれる人がいる訳ではないので,自分でペース配分は決めなければいけません。頑張って一つ一つ理解しようと丁寧に動画を見ていたら,後半の科目が間に合わなくなってしまった…となってしまえば元も子もありません。私は,1週間に2科目,重い科目であっても1科目は進めると決めていました。また,映像教材では質問対応は提供されていないため,疑問が生まれたら自分で調べる必要がありました。心電図や画像診断の読み方に関する疑問は,調べるのが難しかったです。
個別指導
メリット:
- 試験に間に合うようにスケジュール管理をしてもらえる。
- 難しい内容は,質問しながら丁寧な解説をしてもらうことができる。
個別指導は,自分に合わせて解説をしてくれる講師がいます。そのため,疑問が生まれた場合にはすぐに質問をすることができる環境が整っています。また,時間配分も調整してもらえるため,理解が重要かつ難しい内容は丁寧に解説してもらいつつ,試験に間に合うようにペースを管理してもらうことができます。
デメリット:
- すきま時間で授業を受けることが難しい。
個別指導を受けられるタイミングは予め決まってしまっているため,急に時間ができたからと授業を受けることは難しいです。すきま時間は,既に学んだ内容の復習に当てるのが良いですね。
私は,一教科を学習し終えた後も,そのまま同じ教科をもう一周復習し,また1,2ヶ月後,他の教科を新しく勉強しながら,並行して前に学習した教科の内容を読み返していました。覚えなければならない知識が膨大だったため,その分忘れてしまう内容も多く,復習は必須でした。また,全体像を理解してから細かく暗記し直すことで,系統的に疾患を理解することができました。
② 問題演習を中心に(3ヶ月~1ヶ月前)
3ヶ月前くらいから,QBなどを用いて,CBTのプール問題を解いていきました。正解不正解以上に気にかけていたことは,自信を持って選択肢を選べたか,ということでした。本番で,似ているけど多少異なる,といった問題が出題された場合でも,確実に得点源にできるように,間違えた問題はもちろん,正解した問題もしっかり解説を読んでいました。時間がかかり,心が折れそうになることもありましたが,特に1週目は辛抱強く時間をかけて丁寧に問題を解くことが得点につながります。
解説内で曖昧な知識が見つかった場合は,自分が学習に用いていた教材に立ち返りました。問題を解くのに必要な情報を書き込み,理解できなかった内容は,該当箇所の教科書を読んで,理解を深めていました。質問ができる環境の方は,質問して解決するのも良いと思います。
QBでは自分で◎◯△×を変えられたため,間違えることがないだろう問題は◎,偶然正解した問題は△にしていました。これは2周目以降解き直す際に役立ちました。
また,問題の解き直しだけをしていると,各科の全体像を忘れてしまい,丸暗記に陥ってしまいそうだったため,この時期も教材を繰り返し読み返していました。
③ 模試&最終確認(1ヶ月前~直前)
時間配分を確認するためにも,CBTの模試は必ず受けておきましょう。私は,QBを2周してから受けたかったため,1週間前に受けました。9割に少し満たないくらいの点数であったため,9割超えを目標としていた私は焦ったのを覚えています。勉強方針を整えることを考えると,1ヶ月前くらいに受験しても良かったかなと思います。
とはいえ,残り1週間で点数を伸ばす必要があったため,勉強法を直前期用に切り替える必要がありました。問題演習としてQBに加えてモントレを行うことで,問題演習を増やす人も周りにいましたが,私の場合は1週間しかなかったため,新規問題を解いて十分な復習を行うことは難しいと判断しました。
そこで,私は問題量を増やさず,模試で得点が良くなかった分野を分析し,苦手分野を復習することに時間を当てることにしました。私は画像を読むことがあまり得意でないことがわかったため,画像に関しては,病みえの該当ページを読みかえし,また,映像教材の画像診断の部分だけ繰り返し見返しました。加えて,QBの正解していなかった問題の解き直しを行いました。苦手分野は伸び代にもなったので,直前期を苦手なものの復習に当てたのは正解でした。
直前2日は,使用していた教材を全て読み返すことに使いました。1週目は3ヶ月かかった内容も,理解している状態では2日で読み返すことが可能でした。苦手分野ばかり復習していたために却って忘れていた内容を思い返すこともできました。
本番,真新しい問題が出てきたらどうしよう,という不安もありましたが,本当に数問だけで,後は見たことがあるような問題ばかりでした。CBTは重箱の隅をつつくような問題は出題されないため,基本的な知識を習得した上で,問題を深く理解しながら演習したことが役立ったことが功を奏する試験だったのだと思います。





