著者 A.T. 医師. 男性.
東京大学医学部卒.
今年から研修医をしています。学生時代の勉強法が参考になれば幸いです。

目次
私は東京大学医学部医学科6年生として国試に合格しました。本記事では、Q-Assist(QA)を活用しながら、どのように国試までの勉強を進めたかを、時系列で振り返りながら紹介します。
国試合格に向けた勉強法は人それぞれですが、私が最終的に得た結論は「Q-Assistの本編を見て、国試QB(クエスチョン・バンク)を解く」――この基本を押さえれば、直前講座に手を出さなくても十分に合格できます。
とはいえ、受験生の状況によっては勉強のペースや方法を調整する必要があります。私自身、途中で勉強のモチベーションが下がったり、学習のペースが乱れたりした時期もありました。その過程も含めて、どのようにQ-Assistを使い、どのような学習スタイルが有効だったのかを具体的にまとめます。
経過要約
| 年次 | 月 | 試験/模試 | スコア | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 3~4年次 | 冬休み〜 | — | — | Q-AssistとCBT対策の開始 |
| 4年次 | 11月 | CBT | 全体: —/— (得点率: 89.68%, IRT: 641) | — |
| 5年次 | 5月 | 第117回 | 必修: 155/200 (77.5%) 般臨: 196/295 (66.4%) 禁忌: 2/2 (100%) | 合格点-5 (必修) 合格点-24 (般臨) 合格点±0 (禁忌) |
| 6年次 | 7月 | 第118回 | 必修: 176/200 (88.0%) 般臨: 243/300 (81.0%) 禁忌: 0/3 (0.0%) | 合格点+16 (必修) 合格点+11 (般臨) 合格点-3 (禁忌) |
| 6年次 | 9月 | MM第1回 | 必修: 161/200 (偏差値: 50.6) 般臨: 209/300 (偏差値: 52.6) | — |
| 6年次 | 12月 | MM第2回 | 必修: 189/200 (偏差値: 53.8) 般臨: 223/299 (偏差値: 49.0) | — |
| 6年次 | 1月 | MM第3回 | 必修: 196/200 (偏差値: 55.1) 般臨: 264/299 (偏差値: 54.5) | — |
| 6年次 | 2月 | 第119回 | 必修: 180/200 (90.0%) 般臨: 264/300 (88.0%) 禁忌: 0/3 (0.0%) | 合格点+20 1917/9627位 ボーダー予想+43 みんコレ:0問 |
Q-Assistを使い始めた理由
Q-Assistを本格的に使い始めたのは3年次の冬休みです。きっかけは、臨床科目の勉強モチベーションが高い友人が2年次の冬休みからQ-Assistを使っていたことでした。
また、コロナ禍で5年次の先輩たちが実習と並行して映像授業を見ていたのを知り、「実習が始まってからでは時間が足りなくなる」と感じたことも、早期にQ-Assistを始める決断を後押ししました。基本的に、私は自分自身の馬力を信用していないため、早期から助走を始めておくという性分です。
3年次冬休みのQ-Assist活用法
- 視聴科目:A消化器〜F膠原病まで
- 視聴時間:1日1時間
- 視聴方法:iPad+Apple Pencilで適当にメモを取りながら、2.75倍速で視聴
- 問題演習:視聴した科目のCBT QBを空き時間に漫然と解く
この時点では、学習の到達目標を強く意識していたわけではなく、「とりあえず見ておこう」という感覚に近かったです。当時は書き込み済みノートの提供もなく、CBT QBの正答率もそれほど高くなかったですが、後々の勉強に役立つ土台にはなりました。
4年次:授業での苦戦と虚無感
4年次になると、臨床科目の授業が本格的に始まりました。当初は「基礎科目の失速を反省し、今度こそ授業に食らいつこう」と意気込んでいましたが、現実は厳しかったです。
- 授業スライドが配布されない科目がある
- 口頭説明や授業後の質問対応のメモを手書きで取っても、自分の字が汚くて読めない
- 結局、過去問を解いて「優」を取るのが最適解になる
- いかなる授業にも出席し続けることの意義を見出しづらい
この状況に苛立ちを覚えながらも、定期試験に合わせてCBT QBはもとより、国試QBを解くことは継続していました。4〜6月の国試QBのべ演習数は1806問でした。この時期は、QBは科目別で、順番通りに解いていたと思います。1周目問題等は考慮せずに、QB収載問題を全問解いていました。ただ、学習の意義を見失い、住居環境も悪かったことから、日々虚無感に襲われ、精神的に荒んでいました。
iPadにキーボードをつけてから、状況は一気に改善しました。字が汚くてタイピングが速い人には必須アイテムです。入力はキーボードを徹底すること。iPadでフリック入力とか、絶対ダメですからね!
CBT対策と試験結果
4年次の夏休みに産婦人科と小児科のQAを視聴。4年次の秋には、マイナー科のQAを視聴しながら、定期試験前に国試QBを解くという学習スタイルに。8〜11月の国試QBのべ演習数は2992問でした。1周目は順番通り、2周目は科目内でシャッフルという形で解いていました。また、QA CBT基礎医学を見たのはとてもよかったです。これ、2〜3年次のうちから見ておきたかったですね。生物選択ではなかったこともあり、基礎医学はそれなりに苦労しました。1周CBT前に1週間休みがあったのですが、徐々に「何を復習すればいいか分からない」という状態になり、結局前日はYouTubeの面白い動画を見て夜ふかし。当日は1ブロック25分で解いて、解き終わったら目を瞑って寝るという投げやりな戦略でしたが、IRTスコア641、得点率89.68%という結果でした。4連問の出来が比較的悪かったです。IRTスコアにおいて、C領域(基礎医学)が約720、D、E領域(臨床医学)が約600、F領域(診療の基本)が約630だったのに対し、4連問は約510でした。私は問トレを解きませんでしたが、周囲の学生で問トレまで手が回っている人は90%を超えていた気がします。CBTに関しては、国試QBよりも問トレや、出題ガイドラインに合わせた学習の方が効果的な気がします。
5年次:一休み
すでにメジャー科のQA視聴と、臨床各科目の国試QB1周を済ませており、実習と並行して別分野のダブルスクールをしながら、国試対策を一休みしました。4年1月〜5年3月までの国試QBのべ演習数は1296問でした。
5月に117回国試を解き、必修155/200(77.5%,合格点-5)、般臨196/295(66.4%,合格点-24)、禁忌2/2(合格点-0)という結果であり、あと2年でこの差分を埋めれば合格するという目標を得ました。実習は、まあ普通にちゃんとやったのではないでしょうか。
6年次:国試本格対策と合格までの戦略
6年次の春から、再びQAの内科を視聴し、QBを時間差で1周する方法で学習を再開。自分の手書きノートが汚くて読めないため、テキストを見て自分で解説するスタイルは取りませんでした。改訂されていたものは概ね改めて視聴しました。自分でテキストを見直す方が効率は良いと思います。この時期には書き込み済みノートの提供が大体の科目で行われており、活用しました。
12月上旬のPost-CC OSCEについて
弊学は独自の問題を採用しているのですが、メジャー科国試QBをすでに何周かしており、心強い友人たちとともに2週間練習をしたため、余裕を持って合格しました。
その後のマイナー科の対策
マイナー科に関しては総まとめ講座と迷ったのですが、一度入れた知識を再度入れ直したいというモチベーションで、12月から1月上旬にかけて、Q-Assist産婦人科・救中麻・マイナー科を詰めることで偏差値は上昇し、1月頭に受験したMM第3回模試の成績は必修196/200、偏差値55.1、般臨264/299、偏差値54.5になりました。12月の国試QBのべ演習数は3348問であり、演習数が1000問に到達する日もありました。
国試前の9週間
国試前の9週間は思ったより時間を持て余し、直前系講座は一切視聴せず、レビューブックやイヤーノートなどの書籍媒体も最低限の参照にとどめました。6年間を通じて、「病気が見える」もほとんど参照していません。調べものには良い教材だと思います。もともとはサマライズなりQAプラスなり見る予定だったのですが、予定が下方修正されて、買いませんでした。QA本編の内分泌は、改定されていたので見直そうと思ったのですが、時間が足りず、直前1週間の時期に糖尿病など苦手意識のある部分だけ自分で書き込み済みテキストを読みました。必修ガイドライン講座はよかったですね。必修が腑に落ちたので、必修QBをパルス的に解きました。疲れてきていたので、必修といえども1日550問が限度でした。1月の国試QBのべ演習数は3366問で(2月は36問)、6年次の年間のべ演習数は11770問。QB収載問題を全て解き終え、最終的なグラフ上の正解率は約93%でした。あとはひと通り模試を解いて、118回を再度解いて解説の深掘りをしました。1月中旬の模試の成績ですが、TECOM4の成績は必修184/200(偏差値56.6)、般臨246/300(偏差値56.9)。冬MECの成績は必修191/200(偏差値63.9)、般臨244/300(偏差値55.5)であり、偏差値が安定していました。覚えていない知識をこのときだけAnkiに入れて回したら、何問か出ました。118回を解き終えた時点で残り1週間を切っていたので、テーマ別の整理を優先しました。この時期にまとめた主なテーマを列挙しますが、あくまで私が不足意識のあったテーマということになります。
国試本番
前日はさっさと寝ることに徹しました。A問題が難しくて吐きそうでした。もともと、やる予定だった117回,116回を解き直していない、という不安もありましたね。その2回分でチェックしていない知識が出題されて、自分だけ解けていなかったらどうしようという不安もありましたね。1日めの自己採点をするかどうかは柔軟に考えていたのですが、しませんでした。Aブロックが難しかった不安もあり、1日めの夜は3時くらいに中途覚醒しました。
結果、MedicMedia講師速報の自己採点で必修180/200(90%、合格点+20)、般臨264/300(88%、1917/9627位、偏差値58.2)となりました。ブロック別では、A81.3%、B93%、C89.3%、D92%、E87%、F89.3%でした。みんコレで禁忌0問でした。個人的にはE問題の必修臨床問題(3点問題)の出来が悪かったので、やはりゆとりを持っておくのは大事です。
結論
- Q-Assistは低学年から活用すると、後々の負担が減る
- Q-Assistの書き込み済みノートを活用
- CBT対策は国試QBよりも問トレが効率的
- 5年次は実習が忙しくなるため、事前に知識を固めておくべき
- 国試直前期は必要以上に講座に手を出さず、QA+QBを徹底すればOK
Q-Assistを適切に活用すれば、国試合格は十分可能です。あれこれ手を広げず、シンプルに「動画を見て、QBを解く」を徹底すれば問題ありません。
さらに言えば、予備校はどれでも良いので、自分でこれと決めた神を信じ抜いてやり抜けば、国試は余裕で合格します。私はあまり得意ではありませんでしたが、信頼できる先輩や数の限定された友人とクローズドな空間を作って情報を共有したり、足並みを揃えたりして、あとは稼ぐなり遊ぶなり他の分野の活動をするなり、惚れた腫れたにコミットするなり、まああとは医学が好きな人はコミットするなり、すればいいんじゃないでしょうか。ダルかった〜。正味、面白くなかったですからね。医学部。自己の欲望を他者に明け渡している人間が多すぎる。スペインかぜとかエボラ出血熱とか、あるいは116A47とかの正答率を見るに、医師国試に合格することは最低限の教養や知性を担保しないと思わされましたし、医師のごく一部ですが、医師免許は人間としての倫理観の担保にはならないと思わせるような人もいました(もちろん立派な医師もたくさん目にしました)。だからこそ、絶対に落ちてはならないというプレッシャーが高まるんですよ。要らん知識もゴシップもさっさとフロセミドでwash outして、患者に善行を施せる良い医師になりたいです。





