基礎医学

【医学生向け】病理学の効率的な勉強法|CBT・国試対策・おすすめ参考書【2025年最新版】

著者 K.N.
男性. 東京大学医学部医学科在籍.CBT-IRTスコア:777.
医学生向け個別指導予備校MedAceにて講師として活躍中.
基本的な内容を丁寧に伝えることを心がけています!

目次を表示

病理学は医学の中でも重要な分野です。大体の大学では組織学、解剖学、生理学などを終えた後に、病理学総論という形で一般論を学び、さらにその後に病理学各論という形で臓器別に学んでいくと思います。他の科目と同様、覚えることが多いのは当然のこと、病理学への苦手意識は漠然とした病理組織像(顕微鏡像)の理解に苦しむことにあると思います。

この記事では、病理学総論、各論の効率的な勉強法、おすすめの参考書、CBT・国家試験対策について解説します。参考書の選び方、バーチャルスライドの活用まで、あなたの学習をサポートする情報が満載です。

病理学を学ぶ前に知っておくべきこと

病理学とは?その重要性と役割

病理学は、解剖学、組織学や生理学で学ぶ人体の構造・機能に異常が起きる”病気”の”理由”を解明する医学の根幹をなす分野です。病気の原因、発生のメカニズム、そして病変がどのように進行していくのかを、分子レベルから個体レベルまで総合的に研究します。臨床においては、患者さんの体から採取された組織や細胞を顕微鏡などで詳細に観察し、得られた情報をもとに正確な診断を下します。この診断は、治療方針を決定する上で極めて重要な役割を果たします。病理学というと顕微鏡像を想起される方が多いようですが、それよりももっと小さな遺伝子やタンパク質なども相手にしますし、もっと大きな臓器や個体にどう異常が出るかも相手にする学問です。

病理学で学ぶ具体的な内容

病理学の学習範囲は非常に広いです。病理学がいわゆる正常な解剖学、組織学や生理学で学ぶ人体の構造・機能を前提にしている以上、細胞や組織、臓器の構造と機能をしっかりと理解していることが必要となります。なので、特に初年度で学ぶであろう解剖学、生理学、組織学の知識が怪しい場合にはまずはその振り返りをしなくてはなりません。その上で、様々な病気が発生した時に、細胞や組織にどのような変化が現れているのか、見えるのかを詳細に学んでいきます。一般論つまり病理学総論では、炎症反応、腫瘍、感染症(細菌、ウイルス、真菌など)、免疫異常、遺伝性疾患、代謝異常など、非常に多岐にわたる病気のカテゴリー別に共通するような病態を学びます。

病理学各論では、各疾患について、まずは正常構造・機能、そして原因があって、病態生理や病理組織像を関連付けて理解することが重要です。また、近年では、分子病理学の発展により、遺伝子やタンパク質の異常が病気の発症や進行にどのように関与しているのかが明らかになってきています。分子病理学の知識も、病理学を深く理解する上で欠かせない要素となっています。

病理学、何から勉強すれば良いだろう?

まずは、解剖学、生理学、組織学の知識をざっと確認しましょう。特に病理組織像に苦手意識がある人はまずは組織学の確認をすることが一番大事になります。限られた時間の中でCBT、国試のために必要な考え方だけ欲しい!という人に向けて意識することのいくつかを紹介します。

組織学の基礎の復習のしかた

病理学を学ぶに向けての大切な組織像の見方があります。それは大きい視点で見ること(組織のレベル)小さい視点で見ること(細胞のレベル)です。特にCBTや医師国試を突破するという観点ではこの二つの視点を持っておけば大丈夫でしょう。

小さい視点(細胞のレベル)

主要な細胞の種類としてまずは「上皮細胞」「それ以外の細胞」をしっかりと区別できるようにしましょう。腫瘍の鑑別という観点ではここの一歩が非常に大事になってきます。

上皮細胞の特徴
  • 細胞が密接に配列し、タイトジャンクションやデスモソームによって強固に結合している
  • 基底膜に接しており、支持とフィルター機能を担う
  • 無血管性で、下層の結合組織から拡散により栄養を受け取る
  • 高い再生能力を持ち、頻繁にターンオーバーする
  • 顕微鏡像では密に接着し、多角形〜長方形の細胞が見られる
  • 細胞間橋角化線毛などの構造が観察されることがある

大きい視点(組織のレベル)

上皮組織を理解した上で、他の組織がどのような細胞で構成され、どのような構造を作り、どのような役割を果たすのかを把握することが大切です。

  • 扁平上皮:扁平な菱形系の細胞が多数重なっている
  • 腺上皮:長方形の細胞が腺管やヒダを形成している

組織学の復習では、組織標本の画像やバーチャルスライドを活用し、視覚的に正常像を捉えることが効果的です。

組織学を復習した上での病理学の勉強法

組織学で学んだ”正常”の像との類似点や違い

病気になっても、完全に元の構造や機能が消失するわけではありません。一部の細胞や組織の特徴は受け継がれます。まずは上皮の癌化を通して、細胞・組織構造がどのように変化するか確認しましょう。

受け継がれる所見

  • 腺癌:腺管構造が維持されることがある。ムチン分泌能が残存する場合も。
  • 扁平上皮癌:角化や細胞間橋が強調される。

異なる所見

  • 核異型:核が腫大・不整形。クロマチン凝集。
  • N/C比上昇:核/細胞質比が増大。
  • 細胞極性の喪失:基底膜との規則性が失われる。
  • 異常分裂像:本来分裂しない部位での分裂が観察される。

ポイント:CBTや医師国試では、まずは「上皮」か「上皮以外か」を大きい視点で判断できるかが重要です。

おすすめの参考書

病理学の知識を体系的にインプットするためには、良質な参考書が不可欠です。

  • 新病理学(Qシリーズ) – 図やイラストが豊富で初学者に最適
  • 標準病理学(医学書院) – 基礎から応用までをバランス良く網羅
  • ロビンス基礎病理学(丸善出版) – 深い解説を求める学習者向け(基礎固め後に推奨)

参考書を読む際は、病理学総論病理学各論の視点を行き来しながら学ぶと理解が深まります。

発展:画像診断と病理組織像の関連付け

CT・MRI・超音波などの画像診断所見と、病理組織像を照らし合わせることで、病変の性質や進行度をより正確に判断できます。症例ベースで、画像と対応する組織像を比較検討する学習法が効果的です。

国家試験対策のポイント

腫瘍・感染症・腎疾患などの病理標本画像問題が頻出です。正常と異常構造を画像で見分けられるよう、日頃からバーチャルスライドなどを活用し、様々な組織像に触れておきましょう。

また、染色法に関する知識も重要です。代表的なHE染色をはじめ、主要な特殊染色がどの成分を染めるかを押さえてください。近年は免疫染色分子病理も出題されるため、最新情報のキャッチアップが欠かせません。

まとめ:病理学の学習を継続するために

病理学は、細胞や組織の微細構造から病気のメカニズムまで扱う奥深い分野です。しかし、その知識は患者の診断・治療に直接貢献できるやりがいのあるものです。

本記事で紹介した勉強法や参考書を活用し、自分のレベルに合った教材で基礎を固めることから始めましょう。組織学と対比しながら理解を深め、過去問分析で試験の頻出範囲を把握することも忘れずに。継続的な学習で、病理学の理解を着実に高めてください。

TOP