記事一覧

【バイト医学生必見】医学部CBT勉強法 – 部活・バイトとCBT対策を両立するためのヒント【対策はQBだけ?!】

著者 S.O.
男性. 東京大学医学部医学科在籍.
学年の試験対策委員(通称「シケ対」)の委員長をしています
医学生の皆さんの学習の参考になれれば幸いです
目次

0. はじめに

今これを読んでくださっている皆さんの多くは、おそらくこれからCBTの受験を迎える医学生の方々でしょう。CBT対策を進めていく中で特に頻繁に直面しがちなのが、課外活動と一体どのようにして両立していくのかという問題です。

かく言う私も同様の悩みを抱いていましたが、限られた時間の過ごし方を自分なりに工夫することで、決して自慢できるハイスコアとは言えないまでも、CBTの本試験に余裕を持って合格することができました。

本記事では、皆さんが少しでも課外活動とCBT対策を両立するためのヒントとして、私自身が多忙な学生生活の中でも最低限のCBT対策をどのように進めていたかを、「もっとこうしたら良かったな」という反省点と共にお話しします。

1. 私の現状

まず、これからお話しする私のCBT対策法の前提として、前章の最後に言及した私の「多忙な学生生活」の詳細を以下に箇条書きで記します。

  • 東大医学部医学科では1年春から2年夏までの1年半を教養過程(「前期教養学部理科三類」)、2年秋から3年冬までの1年半を基礎医学の教育に充てているため、臨床医学・社会医学の講義が始まるのは4年春からでした。そのため、夏休みを挟んで前半の3ヶ月半で内科外科などのいわゆる「メジャー科」、後半の3ヶ月でその他のいわゆる「マイナー科」を学習し、11月中旬にはCBT/OSCEを受験するという極めて駆け足のカリキュラムについていく必要に迫られていました。
  • 私は4年生の時点で運動部の幹部代と文化系サークルを掛け持ちし、バイト(=個別指導塾)で働いていたほか、医学科の試験対策委員長、五月祭医学部企画の準備にも従事し、さらには基礎医学系の研究室にも通い始めていたため、平日の放課後や土日はほぼ毎日何らかの予定が入っており、なかなか家庭学習の時間を取ることができませんでした。

要するに、私がCBTを受験した4年次は、授業進度が速く試験数が多いにもかかわらず課外活動のせいで家庭学習の時間を満足に取ることができず、CBT対策どころか各科目の定期試験ひいては進級だけでも手一杯の状況でした。


2. 基本戦略 (1) 授業時間の有効活用

家庭学習の時間が十分に取れない中でも各科目の定期試験とCBTを突破するために、私は、運動部の幹部代を引退する夏の東医体までは授業時間を有効活用し、東医体後からはmediLinkストアが配信しているCBT再現問題集「QB-CBT」を本番までに2回周回しようと決めました。

この章では、一つ目の基本戦略、授業時間の有効活用について解説します。大学の授業の時間を少しでも実り多いものにするために、私は以下の5つの工夫を心掛けました。

  1. シラバスや教科書の目次を使って科目の全体像を確認する
    新しい科目の授業が始まるときには、その前の10分休みを利用してシラバスや『病気がみえる』『標準〇〇学』などの教科書の目次を読み、科目全体の構造や重要なテーマを把握するようにしました。シラバスであれば大学の学内サイトから、教科書であっても目次ならば出版社のウェブサイトから閲覧することができるので、図書館や書店に行かなくてもその場で調べられて便利です。この一手間を掛けることにより、現在受講している授業の内容が科目全体のどの領域に位置するのか(喩えるならば、〇〇学という広大な地図の中で一体今の自分がどの地点を歩いているのか)が明確になり、膨大な医学知識を体系的に整理しながら理解していくことができました。また、事前に概要を掴んでおくことで、いきなり授業に臨むよりも先生の話の内容がより円滑に頭に入るように感じました。
  2. 教室の最前列でメモを取りながら聴く
    授業中はなるべく教室の最前列の席に座り、メモを取るようにしました。最初のうちは他の学生の視線が気になって少し恥ずかしかったのですが、最前列では先生の話が聴き取りやすく、講義スライドも明瞭に見えること、さらには先生と目が合う頻度が高いのもあって、適度な没入感と緊張感を持って授業に臨めたのが良かったです。また、先生が授業中に口頭で説明した補足事項を講義資料に書き足すことで、ボーッと聴いているだけのときよりも集中度が高まり、かつ、そこで仕上がったものは定期試験対策やCBT対策の際の復習資料として役立たせることができました。
  3. 余裕があればその授業の該当範囲の過去問を解く
    授業中にその内容の理解が深まり、余裕が出てきた場合には、講義資料を先生の話よりも先へと読み進めていき、それさえも終わってしまった場合には、その授業で扱われた範囲に関する定期試験の過去問を解くようにしました。過去問を通じて定期試験の出題傾向を理解するとともに、授業内容を実際の問題形式で確認することで、軽重のメリハリを付けた知識の定着を図りました。また、授業中に一度過去問を解いておくことで、定期試験前日にいきなり過去問を解き始めるよりも試験対策の時間を節約できるという長所もありました。
  4. 授業中に生じた疑問点については必ず授業後に先生に質問する
    授業を聴いていて疑問点が思い浮かんだ場合、ネットで調べてすぐに解決しそうであればその場で検索し、もしそうでないのであれば、放置したり、無理にそれ以上自分で解決しようとするのではなく、必ず授業後に先生に質問するようにしました。よく試験前になって「この講義資料の〇〇ってどういう意味?」「うーん、どうなんだろう……」と学生同士で議論している光景を目にしますし、確かにその議論もまた学びのあり方のひとつでしょうが、せっかく目の前に先生という授業内容に最も詳しいであろう専門家がおられるのですから、彼らの知恵に直接頼るのが最も効率的なはずです。授業が終わって一休憩したい気持ち、学科同期とは違って先生には少し話しかけづらい気持ちもあるでしょうが、それらを少し我慢してその場で疑問点を潰しておくことが、その後の学習効率や定期試験前の安心感を向上させることに繋がります。
  5. 定期試験前日には講義資料と過去問をもう一周する
    授業中に講義資料と過去問を一周しているとはいえ記憶力には不安があったので、試験前日にはさすがに家庭学習の時間を捻出し、もう一度講義資料を読み直し、過去問を解き直しました。この最終確認により、曖昧だった知識を補強し、重要事項を再確認することができました。

3. 基本戦略 (2)「QB-CBT」を周回する

夏の東医体の後には幹部代を引退して正規練への参加義務が無くなったため、そこで浮いた時間を使って「QB-CBT」を本番までに2回周回しました。この問題演習を少しでも充実したものにするために、私は以下の3つの工夫を心掛けていました。

  1. 医学科のカリキュラムと矛盾の無い問題演習スケジュールを立てる
    東大医学部医学科ではCBT/OSCEの直前期まで授業と定期試験が入っていたため、定期試験とCBTの両方を突破するためには医学科のカリキュラムと矛盾の無い問題演習スケジュールを立てる必要がありました。そこで、私が「QB-CBT」に手を付け始める夏休みよりも前に定期試験が実施された「基礎医学」「メジャー科」、また診療科横断的な「医学総論・公衆衛生」については、元々正規練に参加していた時間を使って「QB-CBT」を解き進めました。夏休み明けに定期試験が実施される「マイナー科」については、第2章でも述べた定期試験前日の問題演習として過去問に加えて「QB-CBT」も取り入れ、定期試験対策とCBT対策を同時並行させました。このように、試験対策同士を連携させることで、学習効率を高めることができました。
  2. 分野ごとにまとめて「QB-CBT」を解き進める
    「QB-CBT」では、単純5肢択一形式、多選択肢択一形式(通称「多選択肢」)、順次解答4連問形式(通称「四連問」)の問題がそれぞれ別の章に記載されています。しかし、私の学習にとって重要なのは出題形式の違いよりもむしろ出題内容の分野の違いだったので、例えば消化管の問題演習であれば「消化管」とその範囲の「多選択肢」「四連問」をまとめて解き進めるようにしました。分野ごとに問題演習を行うことで、そこで得た知識を分野ごとに体系的に記憶できるようにしました。なお、「基礎医学」は範囲が膨大な一方で出題数が少ないため、時間をかけ過ぎないように注意しましょう。私は基礎医学系の研究者を志望していたためこの領域の勉強が楽しく、つい時間をかけすぎてしまう傾向がありましたが、今思うと、少なくとも試験対策の観点では非効率だったと反省しています。
  3. 間違えた問題については該当範囲の講義資料も確認する
    「QB-CBT」で間違えたときには、その問題の解答解説を読むだけでなく、該当範囲の講義資料も確認するようにしました。特に「QB-CBT」の解答解説は簡潔だった反面、写真や図表が個人的にはやや物足りなく感じたため、講義資料のリアルな画像や症例提示を読み返して補完しました。また、これまで定期試験対策として付け焼き刃的に学んできた内容をCBT対策用の知識として整理し直すことで、「定期試験対策用」「CBT対策用」だけで終わらない、統合的な「医学」の知識体系の構築を目指しました。


4. 反省点

これまで述べてきた工夫により、私は課外活動に忙殺されながらも定期試験とCBTの両方において一科目も追試験に掛かること無く突破することができました。しかし、だからと言って何もかもがうまく行ったかというと決してそんなことは無く、「もっとこうしておけば良かったのに」という反省点があったのも事実です。

例えば、私は大手国試対策予備校の動画教材、「問トレ」など「QB-CBT」以外のCBT再現問題集、CBT模試のいずれにも全く触れることなくCBTを終えてしまいました。

特に動画教材については、病院実習が始まるときに初めて復習用の教材として購入してはいました。CBT・国試の出題範囲の医学知識を漏れなくダブりなく分かりやすく解説する教育システムを前にするたびに、「これらをCBT前にきちんと受講していれば、もっと高い得点率での合格を狙えたのではないか」と溜め息を吐いてしまうばかりです。

ただ、4年次が始まったときには既に家庭学習の時間を確保できないほどの忙しさになっていた訳で、それでも動画教材を受講したかったのであれば、4年次の授業中にこっそり動画教材を視聴するか、4年次が始まる前に動画教材を予め視聴しておくしか無かったということになります。

当初は前者の方向も模索したのですが、意外と(と言っては失礼ですが)大学の授業にも興味深いものが多くて内職するのも気が引けたこと、また、このやり方だと結局は授業にも動画教材にも集中できずに中途半端になりそうだったことから、授業中は授業内容を理解することに専念することに決めました

私にはもはや後者の選択肢しか残っていなかったことになります。もっと早くスタートダッシュを切っておくべきだったということですね。

5. まとめ

本記事を通して最終的に皆さんにお伝えしたかったのは、限られた時間の中でも納得のいく結果を出すためには、自分が最も注力したいものだけに集中すること、そして、早めに動き出すことの二つが重要だということです。

第2-3章では私が定期試験・CBT対策のためにやることとして授業時間の有効活用「QB-CBT」の周回2つだけに絞ったことを、第4章ではもっと早くから対策を始めていれば動画教材など他のものにも手を出せたかもしれないことを語りました。

いずれも私という一個人の体験談ではありますが、ここで書いたことが少しでも皆さんの参考になり、悔いの無いCBT受験、はたまた学生生活に役立てていただけると幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

TOP